プロンプト詳細
投稿日:2022-09-29 15:08:10
タイトル
【女騎士小隊VSアラクネ】
作者
説明
女三人の騎士小隊がアラクネとバトルして負ける所までです。
自分用に書いてましたが、やっぱり受けは一人でじっくり書きたい派だったので没となり供養がてら投稿します。
本プロンプトはやみおとめで作りましたので、やみおとめでの使用を推奨しています。
自分用に書いてましたが、やっぱり受けは一人でじっくり書きたい派だったので没となり供養がてら投稿します。
本プロンプトはやみおとめで作りましたので、やみおとめでの使用を推奨しています。
転載・改変可否
説明欄での条件による
(未記入の場合、個別に許可を得られなければ禁止です)プロンプト(本文)
氷花小隊とは、女性だけで構成された三人の騎士小隊。
男社会である騎士の中では厄介者でありながらも、その美しい見た目と確かな実力によってプロパガンダの意味も込め、国内の自由な移動と捜査権が与えられ国中を飛び回るように命じられた特殊な小隊だ。
隊員の一人であるマリアは、常にニコニコと微笑んでおり、優しく穏やかな性格をしている。しかし、彼女はただ優しいだけではない。
戦いとなれば治癒士という職業ながら前に立ち、仲間と肩を並べながら的確なサポートをこなす優秀な回復役となるのだ。
また、彼女は非常に可愛らしくも美しい顔立ちをしており、特に胸の豊かさには目を見張るものがあった。
もう一人の隊員であるエマは、いつもおちゃらけており軽い口調で話すため、一見すると軽薄な人物にも見えるだろう。だが、それは表面的なものに過ぎない。
軽装を好んで身に纏い誰よりも先に前に出るエマは、実は戦闘中は常に冷静沈着であり、時には大胆な行動を取ることも厭わないほど肝が据わっている。
そして彼女の容姿も非常に整っており、まるで人形のように可愛らしい少女であり、スタイルの良い身体を惜しげもなく晒し、その魅力的な肢体から繰り出される槍捌きは、見る者を魅了することだろう。
そんな二人を束ねるのが、隊長であるセシリアだ。
彼女は騎士団の中でも最強と謳われるほどの剣の腕を持っており、まさに才色兼備という言葉が似合う人物である。
切れ長の瞳からは、どこか冷たく近寄り難い雰囲気を感じさせるものの、美しく整った顔に浮かぶ表情は凛々しくもあり、同性異性問わず人を惹き付ける魅力がある。
また、セシリア自身も他人を寄せ付けない空気を醸し出しているが、決して人付き合いが悪いわけではなく、むしろ面倒見が良い一面もあった。
こうして三人は、時に助け合い協力しながら、国内を飛び回り魔族の捜索を続けるのだった。
◆◇◆◇◆
ある日のこと、氷花小隊は辺境の森にある洞窟の調査に来ていた。
マリア「ここは~……随分前に放棄された村みたいですね~」
周囲を見渡しながらマリアが言う。
この森は国境付近に位置しており、滅多に人が寄り付くことはない。そのため、かつてこの村に住んでいた人々は別の地へと移住したのだ。
現在、周囲には人の気配はなく、完全に廃村となっている。
セシリア「ああ、間違いないだろうな」
マリアの言葉に頷きながら、セシリアは辺りを見渡す。
木々や草花が生い茂り、荒れ果ててはいるが、家屋の基礎部分はしっかりと残っているようだ。
もし、ここがまだ人の住む場所であったなら、生活の跡が残っていたことだろう。
マリア「う~ん……でも、噂通りだと~……やっぱり何もありませんね~」
キョロキョロと周囲を見回しながら、マリアが言った。
確かに、周囲に人の姿はない。それどころか、生物の気配すら感じられないほどだ。
エマ「あはっ!やっぱガセだったんじゃん?」
マリアの言葉を聞いて、エマがケラケラと笑う。
どうやら彼女も、この場所に魔族が居るとは思っていなかったらしい。
セシリア「……いや、待て」
その時、セシリアが何かに気付いたように声を上げる。
エマ「え?なになに、なんか見付けたわけ?」
エマも遅れて気付いたのか、不思議そうに首を傾げる。
するとセシリアは、ゆっくりとある方向を指差した。
その先にあったのは、一軒の小さな家だった。
エマ「……民家じゃん」
マリア「あれ~?おかしいですね~……」
二人は困惑している様子だ。
それも当然だろう。なぜなら、その家には明らかに誰かが住んでいた形跡があったからだ。
家の窓からは明かりが漏れており、煙突からは煙が上がっている。更に、家の前には小さな畑があり、作物が育てられていた痕跡が残っているのだ。
明らかに誰かが住んでいる証拠である。
セシリア「……まさか、こんな場所に人がいるとはな……」
少し驚いた様子で呟く。
このような辺鄙な場所にある村に、一体誰が暮らしているというのか。しかも、既に使われていないはずの家から、今もなお明かりが灯っているのだ。
もしかすると、村人は既に別の場所へ移住したにも関わらず、この家に住み続けているのかもしれない。
そんなことを思いながら、セシリアたちはその建物へ近付いた。
そして扉の前に立ち、ノックをしようと手を伸ばした瞬間――突然扉が開き、中から何者かが現れた。
???「――はい、どちら様でしょうか?」
扉の向こうから現れたのは、美しい銀髪の女性だった。
歳は二十代後半といったところだろうか。長い銀色の髪を揺らしながら、女性は柔らかな笑みを浮かべている。
服装は質素なもので、白を基調としたワンピースのような服を身に着けていた。
だが、特筆すべきはその美貌だろう。透き通るような白い肌に、端正な顔立ちをした美女だ。まるで絵画の中から飛び出してきたような美しさを持っている。
彼女を見た三人は、思わず見惚れてしまっていた。それほどまでに、彼女の容姿は美しかったのである。
すると次の瞬間、三人の意識が戻った。
ハッと我に返ったセシリアが、口を開く。
セシリア「……失礼する。私は氷花小隊の隊長、セシリアだ。私たちは、とある調査のためにここへ来た。怪しい者ではない」
セシリアは名乗ると、女性に向かって手を差し出す。
それを見た女性は一瞬きょとんとしたが、すぐにニコリと微笑み、差し出された手を握った。
――瞬間、握った手にチクリと何かが刺さる痛みと共に、セシリアはその場から飛びのき剣を構える。
セシリア「――展開!こいつはアラクネだ!」
そう叫ぶと、女性の姿が徐々に変化していく。
いや、それはもはや人ではなかった。彼女の手足はまるで蜘蛛のように変化し、背中からは八本の蜘蛛の足が生えてくる。さらには、腹部には巨大な口が出現したではないか。
セシリア「総員戦闘準備!魔族を発見した!これより交戦を開始する!!」
その姿を目にしたセシリアが、他の二人に指示を出す。
その言葉を聞いた二人は、即座に武器を構えた。
マリア「了解しました~!……それにしても、魔族がこんなところにいたなんて驚きです~」
エマ「マジウケるんだけど!!魔族とか超レアキャラじゃ~ん!!」
マリアはおっとりとした口調で話し、エマは楽しそうに笑っている。
そんな中、セシリアだけは厳しい表情を浮かべて女性を睨みつけていた。
セシリア(……やはりか……)
目の前の魔族を見つめながら、セシリアは思う。
魔族が住み着いているという噂の森の近くにある廃村に、ただ一人棲む美しい女性。
そんな女性が魔族でないはずがない。
そしてセシリアの予想通り、女性の本当の正体は魔族だったのだ。
アラクネ「あらら~……バレちゃったわね~」
アラクネは余裕の笑みを浮かべながらも、油断なく三人を見つめている。
その瞳には、獲物を狙う捕食者の光が宿っていた。
セシリア「貴様の目的はなんだ?なぜこの村にいる?」
剣を構えながら、セシリアが問いかける。
それに対し、アラクネは妖艶な笑みを浮かべて答えた。
アラクネ「うふふ……そんな怖い顔しないでよ~……ただちょっと棄てられた村を再利用させて貰いながら~……旅人なんかを頂いてるだ・け・よ」
そう言いながら、舌なめずりをするアラクネ。その姿は、とても人間とは思えないほど不気味であり、おぞましいものだった。
セシリア「なるほど……それが貴様の目的というわけか……」
それを聞いたセシリアの表情が、さらに険しいものとなる。
その表情からは怒りのようなものを感じ取れた。それは仲間である二人も同じようで、二人とも武器を強く握りしめながら殺気を放っている。
そんな彼女たちの様子を見て、アラクネはクスリと笑った。
アラクネ「あらあら……随分と嫌われてるみたいね~……まあ、仕方ないかしら~」
そう言うと、両手を仰ぐように広げ指先をうねらせると同時に、指先から放たれた蜘蛛糸が辺りに展開され廃屋や木々などに絡みつき、一瞬にして糸で結界が出来上がった。
瞬く間に周囲を囲まれてしまい、逃げ場を失ってしまった三人。
しかし、それで怯むような者はここにはいない。
糸を張り巡らせている隙を狙って一番身軽なエマが飛び出したかと思うと、そのまま一直線にアラクネへ向かって行った。
それに気が付いたアラクネだったが、時すでに遅く、気が付けば目の前に迫って来ていたエマに反応出来ずにいた。
エマ「オラァアアアアアアアッ!!!」
気合の入った声と共に繰り出された槍の一撃が、無防備になったアラクネを襲う。だが――
ガキィンッ!!という甲高い音が響き渡ったと思うと、エマの持つ槍がアラクネの足の一本によって弾かれてしまった。
エマ「……なっ!?」
驚愕の表情を浮かべるエマ。そんな彼女に向かって、今度はアラクネの長い足が振り下ろされる。
咄嗟に回避しようとするものの間に合わず、エマは強烈な蹴りを受けて吹き飛ばされてしまうのだった。
エマ「ぐっ……あぁああっ!!」
地面に叩きつけられゴロゴロと転がるエマ。やがて止まったところで何とか立ち上がろうとするが、蹴られた箇所が激しく痛み上手く立ち上がることが出来ない。
そんな彼女を嘲笑うかのように、アラクネはゆっくりと近付いていく。
このままではまずいと思ったのだろう。セシリアとマリアが同時に駆け出した。
セシリア「マリア!エマのカバーだ!エマ!死ぬ気でさっさと立ち上がれ!私が持たせる!」
マリア「了解しました~!」
二人はそれぞれ指示を飛ばしながら走る速度を上げる。それに気付いたアラクネは足を止めると、ニヤリと笑みを浮かべた。
アラクネ「ふふっ……そう簡単に私を倒せるとは思わないことね~」
そう言って再び蜘蛛糸を放つアラクネ。それらは意思を持っているかのように動き回り、セシリアに襲い掛かるが、半身でギリギリにそれらを避けながらセシリアは接近していき、叩きつけようと振り上げられたアラクネの足に向かって両手剣を振り上げる。
その瞬間、金属同士がぶつかり合う音が響き渡り、火花が飛び散るとともに激しい衝撃が辺りを駆け抜けた。
攻撃を防がれたアラクネは一旦距離を取ろうと後方へ下がるが、すかさず追撃するようにセシリアが迫る。そして次々と斬撃を浴びせていった。
対するアラクネも反撃とばかりに足を振るい応戦すると、攻撃に回された四本のアラクネの足に対して一本しかないセシリアの両手剣は分が悪く、徐々に押されていくことになる。
このまま押し切られるかと思われたその時――横合いから槍を持ったエマが突っ込んできた。
それを咄嗟に飛びのいて避けて距離を取るアラクネと、それを見て息を整えながらセシリアは呟く。
セシリア「……はぁ……ふぅ……遅いぞ、エマ」
エマ「……ごめん」
短く言葉を交わした後、お互いに武器を構え直す。二人の後方にはマリアも駆けつけて大楯を構え、いつでも防御出来るように身構えていた。
そんな彼女たちの様子を楽しそうに見つめながら、アラクネが言う。
アラクネ「ふふふっ……中々やるじゃない……でも、この程度じゃあまだまだ足りないわよ?ほら、遊んであげるから三人でかかってらっしゃい」
挑発的な笑みを浮かべるアラクネに対し、三人は無言で武器を構える。その表情からは静かな怒りを感じた。
次の瞬間――目にも止まらぬ速さで動いたのはセシリアだった。一瞬で距離を詰めると、先ほどと異なり上段から斬りかかる――が、それは読まれていたらしくあっさりと避けられてしまう。
それと同時に背後から迫っていたマリアの大楯による体当たりを受け、体勢を崩したところで左右から挟み込むようにしてエマの槍が突き出されるが、それも読んでいたのか軽やかな動きで後ろへ跳んで避けた。
その後も三人は連携しながら攻撃を仕掛け続けるが、そのどれもをアラクネはいとも簡単に対処してしまっていた。
まるで遊んでいるかのような余裕を見せながら……。それからしばらく経った頃だろうか、三人は肩で息をしながらもどうにか立っている状態だった。
アラクネ「あらあら……もう終わりかしら?もっと楽しませて欲しいのだけれど……」
退屈そうに呟くアラクネに、三人は悔しそうな表情を見せる。だが、その顔には疲労の色が濃く出ており、これ以上の戦闘継続は不可能に近い状態であった。
マリア「はぁ……はぁ……こ、この魔族ただのアラクネじゃないです~……」
荒い息遣いをしながら呟くマリアの言葉に同意するように、セシリアとエマも頷く。
確かに見た目こそ人間の女性の姿を取っているが、その身体能力は異常とも言えるほど高いのだ。特に厄介なのは蜘蛛特有の八本ある脚だろう。鋼鉄並みの甲殻を持った足が自在に動くため、死角がないと言ってもいいくらいなのだ。それに加えて蜘蛛糸を利用した中距離攻撃と近距離攻撃まで持ち合わせているのである。まさに攻防共に隙のない完璧な魔族だと言えるだろう。
エマ「クソッ……!何でこんな強いんだよコイツ……!」
吐き捨てるように呟くエマの表情にも疲れが見える。無理もないだろう。今まで数々の魔族と戦ってきた彼女だが、ここまで苦戦を強いられるのは初めての経験だったのだから。
しかしそれでも諦めるわけにはいかないと、三人は気力を振り絞り武器を構えた。
だが――
アラクネ「そろそろ遊びはお終いにしましょうか」
アラクネがそう呟くと同時に、今までとは段違いの速度で目の前まで近づいてきたアラクネが三人を思い切り弾き飛ばしてきたのだ。
大岩にでも跳ね飛ばされたかのような勢いで飛ぶ三人は、このまま木にでもぶつかって血の花を咲かせることになるかと思いきや……受け止めたのは張り巡らされたアラクネの蜘蛛の糸。
それによって勢いを完全に殺されたのと同時に、蜘蛛の糸が全身に絡みつき身動きが取れなくなってしまう。
そして、それを成した張本人であるアラクネは三人に向かって妖艶な笑みを向ける。
アラクネ「ふふ……安心して?殺しはしないわ……だってあなたたちは私の大切なオモチャなんだから……たっぷり可愛がってあげるわよ……ウフフフフッ♪」
楽しそうに笑うアラクネの瞳には、狂気にも似た光が宿っていた。
セシリア「くっ……離せぇえっ!!」
必死に抵抗するセシリアだったが、絡みついた糸はまるで強力な接着剤のように張り付いており、引き剥がすことが出来ない。
すぐ隣ではマリアとエマも同じように抵抗しているが、こちらも同様に逃れることは出来ていなかった。
それどころか、藻掻けば藻掻くほど余計に絡まってしまい状況は悪化する一方である。
そんな彼女たちを見ながら、アラクネはまるで獲物を前にした肉食獣のような笑みを浮かべ舌なめずりをしていた。
アラクネ「うふふ……いいわぁ~その表情……私興奮しちゃう♪
男社会である騎士の中では厄介者でありながらも、その美しい見た目と確かな実力によってプロパガンダの意味も込め、国内の自由な移動と捜査権が与えられ国中を飛び回るように命じられた特殊な小隊だ。
隊員の一人であるマリアは、常にニコニコと微笑んでおり、優しく穏やかな性格をしている。しかし、彼女はただ優しいだけではない。
戦いとなれば治癒士という職業ながら前に立ち、仲間と肩を並べながら的確なサポートをこなす優秀な回復役となるのだ。
また、彼女は非常に可愛らしくも美しい顔立ちをしており、特に胸の豊かさには目を見張るものがあった。
もう一人の隊員であるエマは、いつもおちゃらけており軽い口調で話すため、一見すると軽薄な人物にも見えるだろう。だが、それは表面的なものに過ぎない。
軽装を好んで身に纏い誰よりも先に前に出るエマは、実は戦闘中は常に冷静沈着であり、時には大胆な行動を取ることも厭わないほど肝が据わっている。
そして彼女の容姿も非常に整っており、まるで人形のように可愛らしい少女であり、スタイルの良い身体を惜しげもなく晒し、その魅力的な肢体から繰り出される槍捌きは、見る者を魅了することだろう。
そんな二人を束ねるのが、隊長であるセシリアだ。
彼女は騎士団の中でも最強と謳われるほどの剣の腕を持っており、まさに才色兼備という言葉が似合う人物である。
切れ長の瞳からは、どこか冷たく近寄り難い雰囲気を感じさせるものの、美しく整った顔に浮かぶ表情は凛々しくもあり、同性異性問わず人を惹き付ける魅力がある。
また、セシリア自身も他人を寄せ付けない空気を醸し出しているが、決して人付き合いが悪いわけではなく、むしろ面倒見が良い一面もあった。
こうして三人は、時に助け合い協力しながら、国内を飛び回り魔族の捜索を続けるのだった。
◆◇◆◇◆
ある日のこと、氷花小隊は辺境の森にある洞窟の調査に来ていた。
マリア「ここは~……随分前に放棄された村みたいですね~」
周囲を見渡しながらマリアが言う。
この森は国境付近に位置しており、滅多に人が寄り付くことはない。そのため、かつてこの村に住んでいた人々は別の地へと移住したのだ。
現在、周囲には人の気配はなく、完全に廃村となっている。
セシリア「ああ、間違いないだろうな」
マリアの言葉に頷きながら、セシリアは辺りを見渡す。
木々や草花が生い茂り、荒れ果ててはいるが、家屋の基礎部分はしっかりと残っているようだ。
もし、ここがまだ人の住む場所であったなら、生活の跡が残っていたことだろう。
マリア「う~ん……でも、噂通りだと~……やっぱり何もありませんね~」
キョロキョロと周囲を見回しながら、マリアが言った。
確かに、周囲に人の姿はない。それどころか、生物の気配すら感じられないほどだ。
エマ「あはっ!やっぱガセだったんじゃん?」
マリアの言葉を聞いて、エマがケラケラと笑う。
どうやら彼女も、この場所に魔族が居るとは思っていなかったらしい。
セシリア「……いや、待て」
その時、セシリアが何かに気付いたように声を上げる。
エマ「え?なになに、なんか見付けたわけ?」
エマも遅れて気付いたのか、不思議そうに首を傾げる。
するとセシリアは、ゆっくりとある方向を指差した。
その先にあったのは、一軒の小さな家だった。
エマ「……民家じゃん」
マリア「あれ~?おかしいですね~……」
二人は困惑している様子だ。
それも当然だろう。なぜなら、その家には明らかに誰かが住んでいた形跡があったからだ。
家の窓からは明かりが漏れており、煙突からは煙が上がっている。更に、家の前には小さな畑があり、作物が育てられていた痕跡が残っているのだ。
明らかに誰かが住んでいる証拠である。
セシリア「……まさか、こんな場所に人がいるとはな……」
少し驚いた様子で呟く。
このような辺鄙な場所にある村に、一体誰が暮らしているというのか。しかも、既に使われていないはずの家から、今もなお明かりが灯っているのだ。
もしかすると、村人は既に別の場所へ移住したにも関わらず、この家に住み続けているのかもしれない。
そんなことを思いながら、セシリアたちはその建物へ近付いた。
そして扉の前に立ち、ノックをしようと手を伸ばした瞬間――突然扉が開き、中から何者かが現れた。
???「――はい、どちら様でしょうか?」
扉の向こうから現れたのは、美しい銀髪の女性だった。
歳は二十代後半といったところだろうか。長い銀色の髪を揺らしながら、女性は柔らかな笑みを浮かべている。
服装は質素なもので、白を基調としたワンピースのような服を身に着けていた。
だが、特筆すべきはその美貌だろう。透き通るような白い肌に、端正な顔立ちをした美女だ。まるで絵画の中から飛び出してきたような美しさを持っている。
彼女を見た三人は、思わず見惚れてしまっていた。それほどまでに、彼女の容姿は美しかったのである。
すると次の瞬間、三人の意識が戻った。
ハッと我に返ったセシリアが、口を開く。
セシリア「……失礼する。私は氷花小隊の隊長、セシリアだ。私たちは、とある調査のためにここへ来た。怪しい者ではない」
セシリアは名乗ると、女性に向かって手を差し出す。
それを見た女性は一瞬きょとんとしたが、すぐにニコリと微笑み、差し出された手を握った。
――瞬間、握った手にチクリと何かが刺さる痛みと共に、セシリアはその場から飛びのき剣を構える。
セシリア「――展開!こいつはアラクネだ!」
そう叫ぶと、女性の姿が徐々に変化していく。
いや、それはもはや人ではなかった。彼女の手足はまるで蜘蛛のように変化し、背中からは八本の蜘蛛の足が生えてくる。さらには、腹部には巨大な口が出現したではないか。
セシリア「総員戦闘準備!魔族を発見した!これより交戦を開始する!!」
その姿を目にしたセシリアが、他の二人に指示を出す。
その言葉を聞いた二人は、即座に武器を構えた。
マリア「了解しました~!……それにしても、魔族がこんなところにいたなんて驚きです~」
エマ「マジウケるんだけど!!魔族とか超レアキャラじゃ~ん!!」
マリアはおっとりとした口調で話し、エマは楽しそうに笑っている。
そんな中、セシリアだけは厳しい表情を浮かべて女性を睨みつけていた。
セシリア(……やはりか……)
目の前の魔族を見つめながら、セシリアは思う。
魔族が住み着いているという噂の森の近くにある廃村に、ただ一人棲む美しい女性。
そんな女性が魔族でないはずがない。
そしてセシリアの予想通り、女性の本当の正体は魔族だったのだ。
アラクネ「あらら~……バレちゃったわね~」
アラクネは余裕の笑みを浮かべながらも、油断なく三人を見つめている。
その瞳には、獲物を狙う捕食者の光が宿っていた。
セシリア「貴様の目的はなんだ?なぜこの村にいる?」
剣を構えながら、セシリアが問いかける。
それに対し、アラクネは妖艶な笑みを浮かべて答えた。
アラクネ「うふふ……そんな怖い顔しないでよ~……ただちょっと棄てられた村を再利用させて貰いながら~……旅人なんかを頂いてるだ・け・よ」
そう言いながら、舌なめずりをするアラクネ。その姿は、とても人間とは思えないほど不気味であり、おぞましいものだった。
セシリア「なるほど……それが貴様の目的というわけか……」
それを聞いたセシリアの表情が、さらに険しいものとなる。
その表情からは怒りのようなものを感じ取れた。それは仲間である二人も同じようで、二人とも武器を強く握りしめながら殺気を放っている。
そんな彼女たちの様子を見て、アラクネはクスリと笑った。
アラクネ「あらあら……随分と嫌われてるみたいね~……まあ、仕方ないかしら~」
そう言うと、両手を仰ぐように広げ指先をうねらせると同時に、指先から放たれた蜘蛛糸が辺りに展開され廃屋や木々などに絡みつき、一瞬にして糸で結界が出来上がった。
瞬く間に周囲を囲まれてしまい、逃げ場を失ってしまった三人。
しかし、それで怯むような者はここにはいない。
糸を張り巡らせている隙を狙って一番身軽なエマが飛び出したかと思うと、そのまま一直線にアラクネへ向かって行った。
それに気が付いたアラクネだったが、時すでに遅く、気が付けば目の前に迫って来ていたエマに反応出来ずにいた。
エマ「オラァアアアアアアアッ!!!」
気合の入った声と共に繰り出された槍の一撃が、無防備になったアラクネを襲う。だが――
ガキィンッ!!という甲高い音が響き渡ったと思うと、エマの持つ槍がアラクネの足の一本によって弾かれてしまった。
エマ「……なっ!?」
驚愕の表情を浮かべるエマ。そんな彼女に向かって、今度はアラクネの長い足が振り下ろされる。
咄嗟に回避しようとするものの間に合わず、エマは強烈な蹴りを受けて吹き飛ばされてしまうのだった。
エマ「ぐっ……あぁああっ!!」
地面に叩きつけられゴロゴロと転がるエマ。やがて止まったところで何とか立ち上がろうとするが、蹴られた箇所が激しく痛み上手く立ち上がることが出来ない。
そんな彼女を嘲笑うかのように、アラクネはゆっくりと近付いていく。
このままではまずいと思ったのだろう。セシリアとマリアが同時に駆け出した。
セシリア「マリア!エマのカバーだ!エマ!死ぬ気でさっさと立ち上がれ!私が持たせる!」
マリア「了解しました~!」
二人はそれぞれ指示を飛ばしながら走る速度を上げる。それに気付いたアラクネは足を止めると、ニヤリと笑みを浮かべた。
アラクネ「ふふっ……そう簡単に私を倒せるとは思わないことね~」
そう言って再び蜘蛛糸を放つアラクネ。それらは意思を持っているかのように動き回り、セシリアに襲い掛かるが、半身でギリギリにそれらを避けながらセシリアは接近していき、叩きつけようと振り上げられたアラクネの足に向かって両手剣を振り上げる。
その瞬間、金属同士がぶつかり合う音が響き渡り、火花が飛び散るとともに激しい衝撃が辺りを駆け抜けた。
攻撃を防がれたアラクネは一旦距離を取ろうと後方へ下がるが、すかさず追撃するようにセシリアが迫る。そして次々と斬撃を浴びせていった。
対するアラクネも反撃とばかりに足を振るい応戦すると、攻撃に回された四本のアラクネの足に対して一本しかないセシリアの両手剣は分が悪く、徐々に押されていくことになる。
このまま押し切られるかと思われたその時――横合いから槍を持ったエマが突っ込んできた。
それを咄嗟に飛びのいて避けて距離を取るアラクネと、それを見て息を整えながらセシリアは呟く。
セシリア「……はぁ……ふぅ……遅いぞ、エマ」
エマ「……ごめん」
短く言葉を交わした後、お互いに武器を構え直す。二人の後方にはマリアも駆けつけて大楯を構え、いつでも防御出来るように身構えていた。
そんな彼女たちの様子を楽しそうに見つめながら、アラクネが言う。
アラクネ「ふふふっ……中々やるじゃない……でも、この程度じゃあまだまだ足りないわよ?ほら、遊んであげるから三人でかかってらっしゃい」
挑発的な笑みを浮かべるアラクネに対し、三人は無言で武器を構える。その表情からは静かな怒りを感じた。
次の瞬間――目にも止まらぬ速さで動いたのはセシリアだった。一瞬で距離を詰めると、先ほどと異なり上段から斬りかかる――が、それは読まれていたらしくあっさりと避けられてしまう。
それと同時に背後から迫っていたマリアの大楯による体当たりを受け、体勢を崩したところで左右から挟み込むようにしてエマの槍が突き出されるが、それも読んでいたのか軽やかな動きで後ろへ跳んで避けた。
その後も三人は連携しながら攻撃を仕掛け続けるが、そのどれもをアラクネはいとも簡単に対処してしまっていた。
まるで遊んでいるかのような余裕を見せながら……。それからしばらく経った頃だろうか、三人は肩で息をしながらもどうにか立っている状態だった。
アラクネ「あらあら……もう終わりかしら?もっと楽しませて欲しいのだけれど……」
退屈そうに呟くアラクネに、三人は悔しそうな表情を見せる。だが、その顔には疲労の色が濃く出ており、これ以上の戦闘継続は不可能に近い状態であった。
マリア「はぁ……はぁ……こ、この魔族ただのアラクネじゃないです~……」
荒い息遣いをしながら呟くマリアの言葉に同意するように、セシリアとエマも頷く。
確かに見た目こそ人間の女性の姿を取っているが、その身体能力は異常とも言えるほど高いのだ。特に厄介なのは蜘蛛特有の八本ある脚だろう。鋼鉄並みの甲殻を持った足が自在に動くため、死角がないと言ってもいいくらいなのだ。それに加えて蜘蛛糸を利用した中距離攻撃と近距離攻撃まで持ち合わせているのである。まさに攻防共に隙のない完璧な魔族だと言えるだろう。
エマ「クソッ……!何でこんな強いんだよコイツ……!」
吐き捨てるように呟くエマの表情にも疲れが見える。無理もないだろう。今まで数々の魔族と戦ってきた彼女だが、ここまで苦戦を強いられるのは初めての経験だったのだから。
しかしそれでも諦めるわけにはいかないと、三人は気力を振り絞り武器を構えた。
だが――
アラクネ「そろそろ遊びはお終いにしましょうか」
アラクネがそう呟くと同時に、今までとは段違いの速度で目の前まで近づいてきたアラクネが三人を思い切り弾き飛ばしてきたのだ。
大岩にでも跳ね飛ばされたかのような勢いで飛ぶ三人は、このまま木にでもぶつかって血の花を咲かせることになるかと思いきや……受け止めたのは張り巡らされたアラクネの蜘蛛の糸。
それによって勢いを完全に殺されたのと同時に、蜘蛛の糸が全身に絡みつき身動きが取れなくなってしまう。
そして、それを成した張本人であるアラクネは三人に向かって妖艶な笑みを向ける。
アラクネ「ふふ……安心して?殺しはしないわ……だってあなたたちは私の大切なオモチャなんだから……たっぷり可愛がってあげるわよ……ウフフフフッ♪」
楽しそうに笑うアラクネの瞳には、狂気にも似た光が宿っていた。
セシリア「くっ……離せぇえっ!!」
必死に抵抗するセシリアだったが、絡みついた糸はまるで強力な接着剤のように張り付いており、引き剥がすことが出来ない。
すぐ隣ではマリアとエマも同じように抵抗しているが、こちらも同様に逃れることは出来ていなかった。
それどころか、藻掻けば藻掻くほど余計に絡まってしまい状況は悪化する一方である。
そんな彼女たちを見ながら、アラクネはまるで獲物を前にした肉食獣のような笑みを浮かべ舌なめずりをしていた。
アラクネ「うふふ……いいわぁ~その表情……私興奮しちゃう♪
氷花小隊は魔族が潜んでいる噂を聞きつけ、辺境の森の中にある洞窟へ調査へ訪れる。
勇者
魔王
魔法
魔王
魔法
タグ: セシリア
セシリア:女性/氷花騎士小隊の小隊長/武器は両手剣
セシリア:容姿:銀色の腰まで伸びたロングヘア/氷の様に鋭い目つき/引き締まった長身で出る所は出ている魅力的な身体
セシリア:性格:生真面目で任務第一の無口でクールな性格/セシリア「……私に何か用か。用が居ないならば去れ」
セシリア:容姿:銀色の腰まで伸びたロングヘア/氷の様に鋭い目つき/引き締まった長身で出る所は出ている魅力的な身体
セシリア:性格:生真面目で任務第一の無口でクールな性格/セシリア「……私に何か用か。用が居ないならば去れ」
タグ: マリア
マリア:女性/氷花騎士小隊の隊員A/武器は大楯とメイス
マリア:容姿:金髪ウェーブヘア/タレ目で優しそうな目つき/小柄で胸も尻も太腿も豊かな男好きのする身体
マリア:性格:優しくて大人しく慈愛に満ちている/間延びした口調/マリア「そうなんですよ~」
マリア:容姿:金髪ウェーブヘア/タレ目で優しそうな目つき/小柄で胸も尻も太腿も豊かな男好きのする身体
マリア:性格:優しくて大人しく慈愛に満ちている/間延びした口調/マリア「そうなんですよ~」
タグ: エマ
エマ:女性/氷花騎士小隊の隊員B/武器は槍
エマ:容姿:金髪のサイドテール/ツリ目で勝気そうな目つき/超小柄で子供の様にしか見えないが、胸は大きいロリ巨乳
エマ:性格:ノリが軽くギャルのような性格/口調もギャルっぽい/エマ「マジウケるんだけど」
エマ:容姿:金髪のサイドテール/ツリ目で勝気そうな目つき/超小柄で子供の様にしか見えないが、胸は大きいロリ巨乳
エマ:性格:ノリが軽くギャルのような性格/口調もギャルっぽい/エマ「マジウケるんだけど」
タグ: 氷花小隊
氷花小隊:三人の女性騎士で構成された小隊。隊長はセシリア、隊員にマリアとエマがいる。
種類 | 単語の言い換え(正規表現) |
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